この記事について
会社の打刻専用キオスクを、Raspberry Piと1.54インチの小さな液晶、タクトスイッチ3個で自作するプロジェクトのシリーズ第2回です。今回は、そもそもRaspberry Piって何なのか、というところから、機種選び・配線・はんだ付けまでの流れを書きます。
- 第1回: アプリ開発編
- 第2回: Raspberry Pi組み込み編(この記事)
- 第3回: 筐体作成編
そもそもRaspberry Piって何?
Raspberry Pi(ラズベリーパイ、通称「ラズパイ」)は、名刺サイズくらいの基板1枚にCPU・メモリ・USB・HDMI・無線LANなどが載った、いわゆる「シングルボードコンピュータ」です。OSを入れれば普通のLinuxパソコンとして使えて、それでいて基板の周囲にはGPIO(General Purpose Input/Output)と呼ばれるピンがずらっと並んでいます。このピンを通じて、液晶やボタン、センサーといった電子部品を直接つなげて制御できるのが最大の特徴です。
つまり「小さなパソコン」と「電子工作用の入出力端子」がセットになっている基板、というイメージです。今回のように「液晶を光らせて、ボタンの入力を受け取る」というような、パソコンと電子工作の中間みたいなことをやりたい場合に、ちょうどいい選択肢になります。
機種選びの決め手は「サイズ」と「入手性」
Raspberry Piにはいくつもモデルがあり、性能重視ならもっと上位の機種もあります。今回選んだのはRaspberry Pi 3 A+というモデルで、決め手はシンプルに2つでした。
- サイズが小さいこと — 今回作ろうとしているのは小型のキオスク筐体なので、基板自体が大きいと最初から詰みます。A+シリーズはフルサイズのモデルに比べて基板が一回り小さく、USBポートなども絞られている代わりにコンパクトです。打刻ボタンを押すだけの用途であればUSBポートも複数は要らないので、この割り切りは今回の用途にちょうど合っていました。
- 入手しやすいこと — いくら理想的なスペックでも、実際に手に入らなければ意味がありません。3 A+は入手性の面でも現実的な選択肢でした。
処理性能としてはオーバースペックな面もありますが、「小さいケースに収める」という今回の最大の制約から逆算すると、最初からこのサイズ感の機種一択、という決め方になりました。
配線はClaudeに全部聞いて決めた
電子工作の経験がそれほどあるわけではなかったので、配線については「液晶とボタンをどのピンに、どうつなぐか」を一つひとつClaudeに聞きながら進めました。液晶側のピン(GND・VCC・SCL・SDAなど)とRaspberry Pi側のGPIOの対応、そして物理的なピン番号を、表にして整理してもらった形です。
最終的に固まった配線は次の通りです。
液晶(8本、物理ピン番号ベース)
| 液晶側ピン | Pi側 | 物理ピン |
|---|---|---|
| GND | GND | 6番 |
| VCC | 3.3V(5V不可・壊れる) | 1番 |
| SCL | GPIO11 (SCLK) | 23番 |
| SDA | GPIO10 (MOSI) | 19番 |
| RES | GPIO24 | 18番 |
| DC | GPIO25 | 22番 |
| CS | GPIO8 (CE0) | 24番 |
| BLK | 3.3V | 17番 |
VCCを5Vに繋ぐと壊れる、というのは事前に確認できていたので助かりました。この手の小型液晶は3.3V駆動のものが多いようです。
ボタン3個(内部プルアップ、抵抗不要)
| 役割 | キー | GPIO(BCM) | 物理ピン |
|---|---|---|---|
| 次へ | Tab | GPIO17 | 11番 |
| 決定 | Enter | GPIO27 | 13番 |
| スクロール | PageDown | GPIO22 | 15番 |
| 共通GND | ー | GND | 9, 14, 20番など |
ボタン側は、Raspberry Piの内部プルアップ抵抗が使える設定にしてもらったので、外付けの抵抗が不要になり配線がだいぶシンプルになりました。
まずはブレッドボードで動作確認
いきなりはんだ付けするのは怖かったので、最初はブレッドボード(部品を挿すだけで配線を試せる基板)の上に液晶とボタンを仮組みして、上の表通りに配線してみました。
ブレッドボードの良いところは、間違えてもすぐに挿し直せることです。実際、最初は液晶が真っ暗のままだったり、ボタンの反応が無かったりということもありましたが、配線を一本ずつ確認しながら直していき、最終的に液晶が正しく表示され、3つのボタンすべてがちゃんと反応することを確認できました。
この「まずブレッドボードで動くと確認してから本組みする」という順番を踏んだおかげで、次のはんだ付けの工程では配線自体で悩むことがなく、安心して進められました。
はんだ付け完了
ブレッドボードでの動作確認が取れたので、実際の筐体に組み込むための本配線として、はんだ付け作業に移りました。ブレッドボードはあくまで試作用で、そのまま完成品に使うにはかさばりすぎるのと、振動などで接触不良を起こしやすいという弱点もあります。
ブレッドボードで確認済みの配線をそのまま基準にして、液晶とボタンそれぞれの配線をはんだ付けし、無事完了しました。これで物理的な配線周りは完成形になり、あとはこの上でOSとアプリをどう動かすか、というソフトウェア側の作業に進める状態になりました。
まとめ
今回は、Raspberry Piというものの位置づけの説明から始まり、「小さいケースに収める」という制約から3 A+を選んだ経緯、そしてClaudeに配線を聞きながらブレッドボードで確認し、最終的にはんだ付けまで完了させる、というハードウェア面の流れをまとめました。
次回は、まだ検討中の筐体(ケース)について書きます。